英文の途中で a が出て来たら、我々日本人は、たいした関心も払わず(払えず ?)聞き流すと思います。これは当然です。なぜなら、日本語には冠詞が無いからです。
しかし、ネイティブの人は、この a に並々ならぬ関心を寄せます。
◎ 次の語が母音で始まる時は、an にしたり、
◎ a のあとで( an なら a と n の間で)一呼吸置いたり、
◎ 強調したい時は「ア」ではなく「エイ」と発音したりします。
これらは、相手に自分が a を使う事を明確に、誤解なく宣言したいからです。
a は、単なる飾りではありません。話し手が次に伝えようとする事柄に関する重要なメッセージが含まれているのです。
冠詞の a の後に来るのは、
・ 多数存在する同類の物の内の一つであり、
・ 一筆書きで描けるような境界をもつ、
名詞です。
・ 世の中に多数存在する猫の内の一匹で、
・ その猫のシルエットは一筆書きで描く事が出来る、
そんな猫を飼っているというのが、この英文の意味です。
では、
Let's have a break.
( 一休みしましょう。)
Can I have a water?
( お水を一杯いただけますか。)
はどうでしょう?
上の 2 つの文にある a の次にくる break や water に上で述べた多数の同類の物の存在や境界線が見えたら「 a に接した時の感覚がネイティブに近づいている」と言えます。
沢山ある休憩の内の一つの「始まりと終わり」をイメージでき、
水の輪郭が見えてきましたか?
もちろん学校で習う様に、a glass of water とすれば、完璧ですが、レストランで、お店の人に頼む時などは、状況が味方してくれる筈ですから、a water で大丈夫です。