2014年4月30日水曜日

ヴェィケイションとヴァケイション


突然ですが、vacation という単語、あなたなら、ェィケイションと発音しますか、それとも、ケイションと発音しますか。
答えは、ここをクリックして下さい。

そうです。どちらも正しいのです。
vacation は、語源的には、vacant すなわち、空っぽ、という意味から来ています。

さて、15世紀〜19世紀のイギリスでは、多くの単語で、母音の音が徐々に変化していった Great Vowel Shift ~ 大母音推移 ~ だいぼいんすいい という現象が起こりました。

英語は、15世紀の中頃に活版印刷の技術が発達した事で、単語のスペリングは固定化されたのですが、その音の方は、変化を続けたのです。

この時期の母音の音の変化を一言で言うと、調音位置が徐々に高くなったと言えます。ちなみに、調音位置とは、息を吐き出して音を作る時の口の中の位置の事です。

母音の分類
前舌(front)中舌(central)後舌(back)
高舌(high) i (I) ü  ɨ (ə)  ɯ u (U) 
中間(mid) e (ɛ) ö  ɜ (ʌ)  o ɔ 
低舌(low) æ  a (ɐ)  ɒ 
日の沈むことの無い、と言われた大英帝国では、内外のダイナミックな変化を映す様に母音の発音も変化したのかもしれません。

また、文明が高度化し、複雑な概念を素早く伝える為に、調音位置は、どんどん高くなったのかもしれません。

そして、イー、や、ウー、など、もうこれ以上は上に行けない音は、それぞれ、アイ、アウなどの2語に割れて二重母音化しました。

かつては、name もそのスペリング通り、ナーメと言っていたのが、この GVS によって、ネイムになったそうです。

こうして、スペリングと発音が、徐々に離れていった(≧∇≦)。

できれば、GVS の前まで、戻して欲しい。もっと時間がゆっくり流れていた、古き良き時代の発音に。そうすれば、単語の暗記がもっと楽になるのになぁ〜(^_^)。


0 件のコメント:

コメントを投稿